Skip to main content

ぼくもと さきこ

京都市東山青少年活動センター

文字の大きさ

掲載日:2011年9月18日

ぼくもと さきこ 役者(ペンギン プルペイル パイルズ)
 私の分岐点は、舞台をみる側からたつ側に変わった所だと思います。演劇ビギナーズ・ユニットという中京青年の家(現京都市中京青少年活動センター)の主催で、みんなでひとつの舞台を作りましょうという企画がありました。それが、私の初舞台です。
 人前に出るのと目立つのが苦手な私は、なるべく客席に背を向けて後ろにさがりました。緊張して、ご飯ものどを通らなくなりました。ただ、私にとってよかったのは、はじめて自分の居場所をみつけられたような気がしたことです。舞台にでるということは、役が決まって本番が終わるまでは、絶対にそこにいなければいけないという約束事があります。それは、いままで味わったことがない安心感でした。それまでの私は、どこにいても居心地が悪かったのです。教室にいても遊んでいてもなんとなく居心地の悪さを感じていました。だから、この期限付きの絶対的な居場所は、とてもうれしかったのです。
 そして、つぎの居場所を探す旅にでました。それは、東京でした。「東京乾電池」という劇団に入り、基礎を学びました。その後フリーになり、8年が経ちました。いろんな舞台に、たたせてもらい、いろんな人に出会って、たくさん影響を受けました。舞台がすこしだけ楽しめるようになりました。そして、ビギナーズ・ユニットの時に感じた自分の「居場所」と「そこにいる」ということをいまでも探究しています。
 その頃出会った人とは、いまだに付き合いがあり、ハニィ、ハチベェ、モリモリとは、一緒に暮らしています。ハチベェは歌舞伎役者になり、ハニィとモリモリも役者を続けています。これからどうなるかわかりませんが、他人同士がこれだけ長く付き合えるというのも、面白いことだと思います。
 もし、今いる場所の居心地が悪かったら、どんどん居心地のいい場所を探しに行きましょう。私も、そうします! 


Page Top