堂岡 俊弘 舞台音響効果家
私は、京都で演劇の音響効果をしているものです。今年で40歳になります。私の分岐点は、ある人との出会いにありました。大学の演劇サークルの先輩です。私は大学4年間、暇さえあればその人の下宿に遊びに行っては、音楽のこと、美術のこと、酒のこと、本当にいろいろな事を教えてもらいました。田舎モンの私には、新しい発見の毎日でした。もちろんお芝居もいっぱい上演しました。そういう日々の中で、私はこう思うようになったのです。“何をやるかより、誰とやるかが大切だ”、と。
留年して卒業時になっても、私は、まだまだずっとこの人と一緒にやっていきたい、と強く思い始めました。私は、この人に賭けてみることにしました。もちろん、何の保証もありません。私自身が勝手に決めたことです。この人ならいけるかもしれない、と。そして、その人と一緒に劇団をつくりました。私は、大学の就職欄に、その劇団名を書き込みました。 その人と出会って、もう20年経ちました。その時の自分の賭けに勝ったのか負けたのか、今では、もうどうでもいい事に思えます。ただ、一つ言えることは、今でも、その人と一緒にお芝居ができる事が楽しくてしかたない、ということです。
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