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つづみ さおり

京都市東山青少年活動センター

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掲載日:2011年9月18日

つづみ さおり 絵本作家
小さい頃からお絵かきは大好きで、気が向けば落書きみたいなイラストを描いていました。美術系などではなく、ごくごく普通の高校に行き、外国語系の大学を卒業した私。まさか、自分が描いた絵を多くの人に見てもらったり、ましてやそれでお金を稼ぐなんてあり得ないことだと思っていました。  
  それは29才のとき。派遣社員として日々、事務仕事に追われていた頃でした。「なんだか、こうしちゃいられない」という気持ちが強くなっていきました。30才というちょっとした人生の節目を前にして、色々と自分について考え直す時期にきていたのかもしれません。
  大学を卒業してから、それまでの間、正社員や派遣社員として働いたり、アルバイトで暮らしたり、働かない時期があったり。それではいけないと翻訳や、貿易事務の勉強をしてみたり。それなりに一生懸命ではあったのですが、どれをやってるときも絶えず、自分がやりたいことは、これではない。本当にやりたいことからは逃げているんじゃないのか。っていう気がしていました。そろそろ、小さい頃から持っていた「絵を描きたい」という気持ちと、一度正面から向かい合ってみようと思い始めていました。
  できれば、お話も一緒に創ってみたい、と、前から気になっていた絵本創作の講座に通ってみることにしました。でも、会社の実務に役立つ資格スクールに通うならまだしも、絵本創作の講座です。人に言うのも、自分で認めるのも、こっ恥ずかしかったです。申し込みをするまでに、やたらぐずぐずと迷ってしまいました。それでも勇気を振り絞って飛び込んでみることができて良かったです。
  それから4年後、初めてお仕事をいただけたとき、体の奥から次から次に喜びが溢れてきました。それまで味わったことのない感覚でした。絵本の創作は楽しいだけではなく、苦労や迷いや悩みは尽きないです。でも、一瞬でもあんな喜びを味わえるのならこれからも頑張っていきたいと思います。


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