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オンラインセミナー「10代の若者と向き合う支援者のための包括的性教育」開催レポート

京都市南青少年活動センター

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掲載日:2025年8月11日

2025/8/8に実施したオンラインセミナー「10代の若者と向き合う支援者のための包括的性教育」。

講師に渡辺大輔さん(埼玉大学ダイバーシティ推進センター准教授)をお招きし、お話を伺いました。

たくさんの参加申込をいただき、当日は合計147名が学びを共にする時間になりました。

包括的性教育は、性に関する知識を単発で伝えるのではなく、幼少期から発達段階に応じて継続的に学ぶプロセスです。人間関係、ジェンダー理解、性の健康と生殖、性的多様性、性感染症予防など幅広く扱い、性を人間生活の重要でポジティブな側面として捉えることが特徴です。

特に印象的だったのは、性が人権であるという視点です。情報へのアクセスと学びの機会は全ての人に保障され、教育は制限的な「〜してはいけない」ではなく「あなたにはこうした権利がある」という肯定的メッセージを基盤とします。ジェンダー平等や社会に根付いたバイアスの解消、科学的根拠に基づく教育も不可欠です。さらに、同意(コンセント)や自己決定を幼い時期から学び、他者の意思を尊重する態度を育む重要性も強調されました。

私はこれまで、情報提供こそが自分の実践だと考えていましたが、この研修を通じて「人権学習として学び続ける姿勢」が何より大事だと認識を改めました。ユースセンターでは、ユースの発達段階に応じた学びの場を設け、信頼できる書籍や教材を揃えたいと考えています。

参加したワーカーからも、「現場での関わり方を具体的にイメージできた」「新しい視点が加わった」などの声が寄せられました。単なる知識習得にとどまらず、それぞれの実践に結びつく学びの場となり、今後の活動の方向性にもつながる有意義な時間となりました。

最後に、支援の軸になるようなお話や、実践のときに立ち戻れる理論を手に入れられたことは、大きな成果です。今回の学びを私たちの「実践の軸」として持ち続け、若者が安心して自分らしく生きられる環境づくりに反映していきます。

 


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