2013年3月7日
西陣織と歩む歴史
富坂 儀一郎さん 【富坂綜絖店】
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妙蓮寺から5分ほど、歩いたところにある富坂綜絖店には、織物でできた多数の商品が置いてあります。なかには、i-Padの入れ物まであり様々な織物商品をみることができます。これら商品を作っているのが富坂儀一郎さんです。
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作ることです。この綜絖は、西陣織を作るときに「織物の種類にあった綜絖を作って欲しい」と依頼を受けた時に作ります。
綜絖は、設計図の組織通りにつくらなければならないので、決してミスしないよう注意して行っているそうです。昔は、新しい織物を作る時に織屋・紋屋・綜絖と相談していましたが、今は、コンピュータ化されたことにより完全分業になりました。
綜絖を作っている富坂さんも3代目になり、今年で100年を迎えます。元々、物を作ることが好きで、子どもの時も真空管ラジオや鉄道模型も作ったりしていて賞も取ったことがあったそうです。店内にある茶室や綴れ機などのミニチュア作品も富坂さん自身が考えて作りました。今は、西陣織に関わる仕事をしているので、西陣織の商品を作っているとのことです。
陽気に元気よく答えてくれる富坂さんでしたが、最初はあまり喋るのが得意じゃなかったと言います。富坂さんは、岐阜に福井に全国で開催されている手作り市や手作り本舗等に参加して自身の作品を売っていましたが、その時に買いに来る客とのコミュニケーションに困っていたそうです。しかし、テレビ等メディアからの取材やお客さんと話すうちに、喋ることがだんだんと苦じゃなくなっていったそうです。
今では、喋るのが得意になったそうで、インタビューの時も富坂さんの話で、場が盛り上がりました。好きな「ものづくり」をいかして、西陣地域に貢献したいとおっしゃっていました。
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現在、西陣織の部品を作る仕事をしていますが、西陣織自体も織ることが出来るそうで西陣織のことも広めるために様々な活動をしています。
「いろんなことに手を出すのが好き」と話す富坂さんの目はまるで子どものように希望にみち溢れた目に見えました。
「西陣地域の文化を残したい」、そんな熱い思いが伝わってきました。
綜絖(そうこう)…織機で横糸を通すために台を引き上げる装置のこと
・最初はどんな方か不安でしたが非常に話しやすい方で楽しかったです。
綜絖というのもはじめて知り世界感が広がりました。そして、富坂さんの話を聞いて、今のうちにいろんなことをやろうと思えました。会えて良かったです。